疑問解消!人事・労務のQ&A(29)

Q29:中途採用において、配偶者欄が無い履歴書が提出されました。面接で婚姻状況を聞くのはアリですか?
  • 都内のIT会社にて、産休・育休に入る女性社員の引き継ぎ人材を探している。
  • 新しく採用してすぐに同じく産休・育休に入ってしまうと困るため、できれば結婚をしていない人材を優先したい。
A:婚姻状況を聞くことに意味はありません。差別につながるおそれも。

公正な採用選考を確保する観点から、厚生労働省は履歴書の様式から「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の欄を削除しました。
それを踏まえ本件を考えると、まず今回の採用において確認すべきなのは婚姻状況ではなく、勤務継続の可否です。
面接の時点で独身であっても、その後すぐに結婚することもありますし、また独身であっても妊娠・出産の可能性は大いにあるため、配偶者の確認自体に意味はありません。

それでも産休・育休の代替要員として機能する人材か否かを確認したい場合は、直接聞くのではなく、今回の人材募集の事情を説明した上で「継続して勤務する意思があるか」と、間接的に聞くに留める必要があるでしょう。

面接における「結婚、出産しても働き続けられますか」「結婚の予定はありますか」などといった質問は「就職差別につながるおそれのある不適切な質問」として厚生労働省が注意喚起しています。
男女雇用機会均等法に抵触する可能性があるばかりでなく、ハラスメントとしてSNSにて拡散されるリスクもあるため、避けるべきです。

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