疑問解消!人事・労務のQ&A(16)

Q16:労働者が自宅に持ち帰って自主的に仕事をした時間は残業時間になりますか?
  • ある社員が過去一定期間、会社で残業せずに、残った仕事を自宅に持ち帰っていたことが発覚。
A:“使用者の指揮命令の下”に無いため、割増賃金の支払い義務は生じません。

労働とは、労働者が“使用者の指揮命令の下で”業務の処理をおこなうことであり、一般的には自宅での業務については指揮命令が及ばないと言えること、労働契約上の労働力の提供が自宅での作業まで想定し得ないことなどから、割増賃金の支払い義務は生じません
ただし一部例外的な解釈も存在するため、詳しく検証することが必要です。

しかし現実問題として、契約された労働時間では到底処理しきれない作業量を労働者に命令し、労働者がこれらの作業を労働時間外や休日に自宅で処理していることを当然のこととして見過ごしていたとなると、労働者が作業の一部を自宅に持ち帰ること自体が労働として評価される可能性があります。

この場合、使用者が積極的に作業の持ち帰りを禁止するなどの措置を取らない限り、持ち帰った仕事の分量を合理的に判断するなどとして、一定の時間について時間外労働に対する割増賃金の請求がなされる可能性があります。
また自宅作業では使用者の指揮命令が及ばないことを前提に、時間外割増賃金の請求が認められない場合でも、作業処理に対する対価として別の報酬支払義務が発生する場合があります。

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