Q18:昼休憩中に電話対応した場合、その対応時間分休憩時間を延長しているが、この延長すべき休憩時間に代え「賃金支給」をおこなうことは可能でしょうか?
- ある会社の事務職の社員は毎日、昼休憩を会社のデスクでとっていた。
- 部署内にて比較的若い社員ということもあり、休憩中でもデスク上で鳴る外部からの電話をとってしまうことが多々あった。
A:可能です。ただし「休憩時間」の意味を見直す必要があります。
労働基準法において使用者は、労働者の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩時間を「労働時間の途中で」与えなければならないとされています。
本件の場合、法定の休憩時間を与えることを基本にして対応する必要があります。
したがって、事業場所定の休憩時間が法定の休憩時間を上回っている場合に、法定の休憩時間に限って、休憩時間の延長に代えて賃金を支給することは可能となります。
しかしそもそも休憩時間とは、労働者が労働時間の途中において、権利として“労働から離れること”を保証されている時間のこと。
使用者は労働者に対し、休憩時間を自由に利用させなければなりません。自由に利用させるということは、休憩時間中は労働者を労働から完全に解放しなければならないことを意味します。
したがって、休憩時間中の顧客や電話の対応のために当番を決めて待機する場合は、いわゆる「手待時間」であり、使用者の指揮命令下にいつでも労働している状態といえます。
それでは休憩時間を与えたことにはならず、その待機時間は労働時間となります。
休憩時間中の電話対応については、交代制にする、又は留守電にするなど、会社として何らかの対策が求められるでしょう。