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深刻化する中小企業の人手不足!企業が行うべき7つの解決策とは?

投稿日:2019年8月19日 更新日:

 

人手不足の深刻化:中小企業の7割以上が人手不足を感じている

独立行政法人中小企業基盤整備機構の「中小企業アンケート調査報告 人手不足に関する中小企業への影響と対応状況」(平成29年5月)によると、7割以上の中小企業が「人手不足」を感じているという結果となった。

Q1.「人手不足」を感じていますか?
7割以上の中小企業が「人手不足」を感じている。

 

Q2.(Q1.Yes の回答者)「人手不足」をどの程度感じていますか?
中小企業の半数以上(52.8%)が人手不足を深刻と感じている。

 

Q3.人手不足の影響をどのような点で感じていますか?(複数回答)
全体の7割以上が「人材の採用が困難」と回答。また、売上減少、 商品・サービスの質の低下、利益減少など経営面での影響も現れている。

  • 人材の採用が困難 75.6%
  • 売上減少(需要増への対応困難、機会損失) 34.4%
  • 商品・サービスの質の低下 30.3%
  • 利益減少(人件費、外注費等のコスト増) 27.2%
  • 取引先・顧客離れ 13.0%
  • その他 10.6%

 

大卒の求人倍率の格差拡大:中小企業は過去最高の9.91倍、採用難が加速

将来的な労働人口の減少どころか、現時点での労働力不足が深刻な問題となっている。優秀な人材の確保・人材争奪戦が激化している昨今、中小企業はどんなことに取り組んで行けば良いのだろうか。

「売り手市場」と言われる就職市場では、リクルートワークス研究所の発表(「第35回 ワークス大卒求人倍率調査」)によると、全体平均で大卒求人倍率は1.88倍と前年の1.78倍より0.10ポイント上昇している。

しかし、従業員規模別、業種別に見た求人倍率を見ると、大企業と中小企業の格差が顕著となっている。

先程のリクルートワークス研究所の調査を従業員規模別にみると、従業員規模5,000人以上の大企業の求人倍率は0.37倍となっている。しかも前年の0.39倍から0.2ポイント低下しており、3人の学生が1人の採用枠に応募している計算だ。

一方で、300人未満の企業はどうかというと、9.91倍と前年の6.45倍から3.46ポイントも上昇している。1人の学生に対し10社の求人がある計算となる。2019年で過去最高の数字である。

業種別で見ても、金融業0.21倍、サービス・情報業0.45倍に対して、人手不足が深刻化している流通業の求人倍率は12.57倍、建設業9.55倍と高い。

(業種別 求人倍率の推移)

出典:リクルートワークス研究所「第35回 ワークス大卒求人倍率調査」

このような時代に、中小企業がどうやってこの人手不足を解消していくか、採用難を乗り越えていくかが大きな課題となっている。

 

中小企業の人材不足7つの解決策とは?

それでは、中小企業における人材不足の7つの解決策について見ていく。外部リソースを活用した手法や人材活用面での工夫による労働生産性の向上の取り組みなど、様々な解決策がある。

1.正社員を採用する

採用市場(新卒・キャリア・募集・媒体等)において、認知度、待遇面、就業環境、ステータスなどの条件で大企業に勝てる中小企業はほぼいないため、それ以外の面でPRしていく必要がある。

例えば、このような取り組みなどが考えられる。

  • 経営者が理念・ビジョンを語り、夢で人を惹きつけていく
  • リファラル採用(社員からの推薦・紹介)を強化していく
  • 採用にかけられる費用があれば、ダイレクトリクルーティングを行っていく
  • 独自の採用手法を考え、発信していく
  • 売れる商品を開発し、会社の知名度を上げていく(採用面だけで見ると、これが一番効果的)
  • 採用コンサルタントに採用を外注する

ここまでインターネットが普及している時代、条件面などはすぐに比較されてしまうため、それ以外で選ばれる理由を作っていく必要がある。

課題

  • 独自の手法で採用を行っていくには、時間等労力をかけることになるため、専門の人事担当者がいないと難しい
  • 鶏が先か卵が先か、売上を上げるのが先か、売上を上げるために人を採用するのが先か、判断が難しい
  • 費用をかけて採用に力を入れたのに、すぐに辞めてしまったという事例は多く、リスクが高い

次に読む:
採用できない!中小企業が抱える採用の課題と解決策5選
「働かないおじさん」「社内失業」?!出勤しているのに「働かない理由」とは?

 

2.契約社員・アルバイトを採用する

正社員採用よりも採用の難易度は下がるため、採用しやすい。契約社員もアルバイトも有期契約のため、失敗したときの採用リスクは抑えられるが、自社内で人材を育てていく環境がないと、活躍できないまま辞めてしまうことにもなり兼ねない。

課題

  • 労働契約法により有期契約が5年を経過すると、有期雇用労働者に「無期転換権」が発生するため、雇用契約締結時には注意が必要
    (労働契約法の無期転換ルールの詳細については、改正労働契約法 無期転換ルールの条件とよくある5つの誤解とは?に記載していますので、こちらも合わせてご一読ください)
  • 有期契約では辞めてしまう確率も高いため、急な退職による業務停滞の可能性、新たな採用を行う労力、新しい人に業務を教えるという負荷が、既存社員にかかってくる

要チェック!中小企業が気を付けるべき中途採用面接の見極めポイント6選

 

3.派遣社員を採用する

一時的な労働力を補完するための選択肢のひとつとしては、有効な方法。但し、派遣市場も人手不足が深刻であるため、実際に入場してもらうまでに数ヶ月の時間を要することもある。また、自社の希望に合うスペックの人材を派遣で採用できるかどうかは、待遇面によっても変わってくる。

課題

  • 派遣労働法改正により、同一業務における派遣社員の契約期間は原則3年間まで(派遣元の雇用契約によって異なる。)
  • 原則、3年毎に人の入れ替えが必要となるため、入れ替え時、業務の引継ぎ時に負担が増加する、または人材ロスの期間が発生する

 

4.業務をアウトソーシング(外注)する

中小企業のアウトソーシングの取り組みは年々増加しており、 経済産業省平成28年企業活動基本調査人手不足対応に向けた生産性向上の取組に関する調査 において、アウトソーシングに取り組んだことがある企業は50.5%となっている。

業務のアウトソーシングについては、いくつかの種類がある。

  • CS(カスタマーサポート)
  • 営業代行
  • バックオフィス代行
  • 秘書代行

アウトソーシングの良い面は、人材の退職による業務の引き継ぎが発生しないことである。また、産休・育休・介護休・メンタル休職による一時的な職場離脱にも対応できる点も、今の時代には合っている。継続的・安定的に業務を外注することができるため、以下のメリットがある。

  • 受注の増加に対応できる
  • 季節的な業務量の変化に対応できる
  • 社内で実施するより効率的な成果が得られる
  • 周辺業務を切り出すことで、コア業務に集中できる
  • 従業員を追加採用するよりもコストが低い
  • 社内で実施するより短時間で完了する
  • 安定的なコストコントロールが可能になる
  • 優秀な人材を活用することができる

課題

自社内の業務整理ができていないと、業務を切り出してアウトソーシングすることができない

 

5.多能工化・兼任化に取り組む

多能工化・兼任化を行うことで、繁忙期となっている部署や工程に労働力を融通することが可能となり、業務量の平準化や業務の効率化に寄与するものと考えられている。

主には、業務マニュアルの作成・整備、従業員のスキルの見える化などだ。「業務マニュアルの作成・整備」は、現在取り組んでいない業務を従業員に新たに担当させる上で学習環境の整備としての役割を担っており、「従業員のスキルの見える化」は、各従業員が現状で有しているスキルを見える化して把握することにより、従業員が有している能力の確認や今後習得させるべき能力を定めることが可能となる。

その他、以下のような対応が必要になる。

  • 多能工化・兼任化に応じた昇給・人事評価
  • 業務の棚卸・見える化
  • ジョブローテーション制度の実施
  • 多能工化・兼任化に向けた能力開発の機会の提供

出典:三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング(株)「人手不足対応に向けた生産性向上の取組に関する調査」(2017 年 12 月)

課題

多能工化・兼任化することで、従業員の業務の幅は広がるが、その分業務負荷によるストレスも増大になる

欠員1名あたりの損失、他の社員への業務負担の増加の影響が大きくなってしまう

 

6.人事制度の見直し

従業員が働く環境を改善し、既存の従業員の定着率(エンゲージメント)を向上させていく手法。採用ができないなら、離職率を減らして、人材の流出を防ぐことが目的。採用には労力がかかるため、離職率を減らしていくのは有効な取り組みである。

  • 長時間労働の是正
  • 休暇制度の充実
  • 柔軟な働き方を提示
  • 福利厚生の充実
  • 賃金の見直し
  • 非正規雇用労働者の待遇改善

課題

  • 必ずしも「働く環境の改善=社員定着」とは限らないため、自社に適した施策を行うことが重要
  • 人事制度の見直しには、多面的に業務や会社の状況を考慮して制度設計する人材が必要であり、制度変更にかかる業務作業を行う時間もかかるため、簡単に考えると大変なことになる

MBO・OKR・360度?企業でよく使われる人事評価制度の6手法を簡単解説

 

7.アナログ業務をシステム化する

既存業務をシステム化して業務効率を上げて、人手不足の解消を図る。今はクラウドサービス等、比較的安価で利用できるサービスが多いため、利用して業務効率を改善していくのは有効な手法である。

課題

  • システム化の調査~検討~社内調整~実施~フォローまで多くの時間を要するため、やはり既存業務で手一杯だと手がつけられないまま終わる
  • 業務全体を把握している人材がいない場合、あとから支障が出てくる可能性もあるため、要注意

 

人手不足の中、人材不足対策をするためのポイントまとめ

それではここで、全体のポイントをまとめていく。

  • 社内リソースが不足している場合は、一時的でも外部リソースを活用するのが有効
  • 自社における本質的な課題は何かを、きちんと洗い出しをした上で取り組むことが重要

他社の上手く行った事例をマネするのは良いことだが、単純にそのまま導入しただけでは自社にマッチするかどうかは分からず、最終的には労力をかけた割にうまくいかず、形骸化してしまうということにもなり兼ねない。

中小企業にとっては、施策ひとつで従業員の気持ちが揺れ動いてしまうことも少なくないため、慎重に、かつ積極的に対応していくことが求められる。

それぞれの企業に合った施策は必ずあるため、それを見極めて実践していくことをお勧めする。

 

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