求職者支援制度|失業手当もらえる?求職者支援訓練、職業訓練受講給付金を簡単解説!

求職者支援制度|失業手当もらえる?求職者支援訓練、職業訓練受講給付金を簡単解説!

「求職者支援法」は、職業訓練の実施及び職業訓練受講給付金(職業訓練受講手当・通所手当・寄宿手当)の支給により、特定求職者の就職を促進することを目的に制定された法律です。

「求職者支援法」に規定される「求職者支援制度」とは、雇用保険を受給できない求職者が、職業訓練によるスキルアップを通じて早期就職を目指すための制度を言います。

今回は、求職者支援法、求職者支援制度、職業訓練受講給付金等の概要について、分かりやすく解説していきます。

求職者支援制度

まず、「求職者支援法(職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律)」は、特定求職者に対して、職業訓練の実施、職業訓練を受けることを容易にするための給付金の支給等の就職に関する支援措置を講ずることにより、特定求職者の就職を促進することを目的に制定された法律を言います。

特定求職者とは

特定求職者とは、公共職業安定所に求職の申し込みをしている者(雇用保険の被保険者である者及び受給資格者である者を除く)のうち、労働の意思及び能力を有している者であって、職業訓練その他の支援措置を行う必要があるものと公共職業安定所長が認めた者を言います。

「求職者支援制度」とは、雇用保険を受給できない方に対して、職業訓練によるスキルアップを通じて早期就職を実現するために、国が支援する制度を言います。

具体的には、「求職者支援訓練」または「公共職業訓練」を原則無料で受講でき、 訓練期間中も訓練修了後も、ハローワークにより積極的な就職支援を受けることができる制度です。

また、一定の要件を満たせば、訓練期間中、「職業訓練受講給付金(月10万円+通所手当+寄宿手当)」が支給されます。

対象者

求職者支援制度は、次のすべての要件を満たす「特定求職者」が対象となります。

  • ハローワークに求職の申込みをしていること
  • 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
  • 労働の意思と能力があること
  • 職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと

雇用保険を受給できない方で、就職を希望し、支援を受けようとする方は、求職者支援制度を利用することができますが、具体的には、次のような方が対象となります。

  • 雇用保険に加入できなかった方(適用がなかった方)
  • 雇用保険の失業手当(失業給付:基本手当)を受給中に再就職できないまま、支給終了した方
  • 雇用保険の加入期間が足りずに失業手当(失業給付)を受けられなかった方
  • 自営業を廃業した方
  • 就職が決まらないまま学校を卒業した方

なお、特定求職者が、後に雇用保険被保険者、雇用保険受給者となるなど、上記要件を満たさなくなった場合は受給できません。

在職中(週所定労働時間が20時間以上)の方、短時間就労や短期就労のみを希望される方などは、原則として特定求職者に該当しませんので、注意してください。

また、「特定求職者」であるだけでは職業訓練受講給付金は支給されませんので、別途、「職業訓練受講給付金」の支給要件を満たす必要があります。

求職者支援訓練

「求職者支援訓練」とは、雇用保険を受給できない求職者等を対象として、民間訓練機関が厚生労働大臣の認定を受けた職業訓練を実施する制度を言います。

職業訓練には、次の2つのコースがあります。

  • 社会人としての基礎的能力及び短時間で習得できる技能等を習得する「基礎コース」
  • 就職希望職種における職務遂行のための実践的な技能等を習得する「実践コース」

訓練期間は、1コース2ヵ月から6ヵ月までです。

求職者支援訓練を受講する際には、受講料等はかかりませんが、テキスト代等の実費は各自の負担となります。

なお、求職者支援訓練の対象者要件を満たしていれば、必ず求職者支援訓練を受講できるわけではなく、訓練校にて行われる選考(学科試験、面接試験等)に合格する必要があり、不合格の場合は訓練を受けられません。

<求職者支援制度の実施状況について(平成30年度:分野別就職状況)>

求職者支援制度の実施状況について(平成30年度:分野別就職状況)

(出典:厚生労働省)

具体的なコース情報は、ハローワークインターネットサービスから検索してください。

 

職業訓練受講給付金

特定求職者が、ハローワークの支援指示を受けて求職者支援訓練や公共職業訓練を受講し、一定の支給要件を満たす場合、「職業訓練受講給付金」(職業訓練受講手当・通所手当・寄宿手当)が支給されます。

支給要件

次のすべての要件を満たすことが必要です。

  • 1. 本人収入が月8万円以下 ※1
  • 2. 世帯全体の収入が月25万円以下 ※1 ※2
  • 3. 世帯全体の金融資産が300万円以下 ※2
  • 4. 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
  • 5. すべての訓練実施日に出席している ※3
  • (やむを得ない理由がある場合でも、支給単位期間ごとに8割以上※4の出席率がある)
  • 6. 世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない ※2
  • 7. 過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない
  • ※1 「収入」とは、税引前の給与(賞与含)、事業収入、役員報酬、不動産賃貸収入、各種年金、仕送り、養育費その他全般の収入を指します(一部算定対象外の収入もあります)。
  • ※2 「世帯」とは、本人のほか、同居または生計を一つにする別居の配偶者、子、父母が該当します(内縁の関係にある者は「配偶者」とみなします。内縁の関係にあるか否かの確認は、住民票謄本の続柄等の「夫(未届)」等の記載によって確認します。)。
  • ※3 「出席」とは、訓練実施日にすべてのカリキュラムに出席していることをいいます。但し、やむを得ない理由により訓練に遅刻・欠課・早退した場合で、1実施日における訓練の2分の1以上に相当する部分を受講したものについては、「1/2日出席」として取り扱います。
  • ※4 「8割以上」の出席率とは、支給単位期間ごとに訓練実施日数から欠席した日数と「1/2日出席」した日数を控除して出席日数を算定(端数が生じた場合は切り捨て)し、支給単位期間ごとに訓練実施日数に占める当該出席日数の割合が8以上であることを指します。

* 訓練期間中から訓練修了後、定期的にハローワークに来所し、職業相談を受けることが必要です。
* 過去にこの給付金を受給したことがある場合は、前回の受給から6年以上(不正に受給した場合は9年以上)経過していることが必要です(連続受講の場合を除く)。

支給額

  • 職業訓練受講手当 :月額10万円
    支給単位期間(原則1ヵ月)ごとに支給
  • 通所手当 :職業訓練実施機関までの通所経路に応じた所定の額(上限額あり)
    最も経済的かつ合理的と認められる通常の通所経路・方法による運賃または料金の額
  • 寄宿手当 :月額10,700円
    訓練を受けるため同居の配偶者などと別居して寄宿する場合でハローワークが必要性を認めた方が対象

求職者支援制度の手続き

「職業訓練の受講申込み」や「職業訓練受講給付金」の手続きは、原則として居住地を管轄するハローワークにて行います。

求職者支援制度に関する手続きは、「訓練受講に関する手続き」と、「職業訓練受講給付金に関する手続き」の2つの流れがあります。

職業訓練受講に関する手続き

訓練受講に関する手続きは、次のとおりです。

step
1
求職申し込み・制度説明

ハローワークに求職の申し込みを行い、求職者支援制度の説明を受けます。

step
2
訓練コースの選択

ハローワークで職業相談を受けつつ、適切な訓練コースを選び、受講申込書などの必要書類を受け取ります。

※ハローワークにて就職活動の状況等のヒアリングを受け、受講の必要性の高さについて判定されます。

step
3
訓練の受講申し込み

ハローワークの窓口で、受講申し込みの手続きを行います。

その後、自身でハローワークで受付印を押印した受講申込書を訓練実施機関に提出します(提出した受講申込書は返却されません)。

※再就職のために訓練が必要ではないとハローワークが判断した場合は、希望した訓練の受講申込みができないことがあります。

step
4
訓練実施機関による選考

訓練実施機関による選考(面接・筆記等)を受けます。

step
5
就職支援計画の作成(支援指示)

訓練実施機関から合否通知がご自宅宛てに届きます。

「合格」の通知が届いたら、訓練開始日の前日までにハローワークにて、「就職支援計画書」の交付を受けます(これを「支援指示」と言います)。

この「支援指示」を受けなければ訓練を受講することはできません。また、「職業訓練受講給付金」を受給することもできません。

ハローワークによっては、支援指示を行う日時をあらかじめ指定される場合があります。

step
6
訓練の受講開始

訓練受講中から訓練修了後3ヵ月間は、原則として月に1回、ハローワークが指定する日(指定来所日)にハローワークに訪問し、定期的な職業相談を受ける必要があります。

職業訓練受講給付金の手続き

職業訓練受講給付金に関する手続きは、次のとおりです。

職業訓練受講給付金の手続きは、原則として1回のみ行う「事前審査」と、月ごとに行う 「支給申請」に分かれています(どちらが欠けても「職業訓練受講給付金」を受給できません)。

step
1
求職申し込み・制度説明

「職業訓練受講給付金」の受給を希望する場合は、ハローワークへの職業相談の際に、その旨を申し出る必要があります。

step
2
訓練コースの選択

事前審査の説明を受け、必要書類を受け取ります。

step
3
訓練の受講申し込み

訓練の受講申し込みと同時に、必要な添付書類を添えて事前審査の申請を行います。

後日、事前審査を申請することもできますが、その場合、支給を受けようとする指定来所日(Step6を参照)までに行うことが必要です。

step
4
就職支援計画の作成(支援指示)

「職業訓練受講に関する手続き」Step.4の選考に合格した場合、ハローワークから事前審査の結果(該当または非該当)が郵送または手交により通知されます(選考に不合格の方には事前審査の結果は通知されません)。

ハローワークで訓練受講中の支給申請に関する説明を受け、支給申請の必要書類を受け取ります。

step
5
訓練の受講開始

指定来所日に職業相談を受けた後、支給申請をします。

※原則、指定来所日以外の日には支給申請を行うことができません。但し、ハローワークが定める一定の理由に該当する場合は、指定来所日を変更することができます(証明書類が必要)。

なお、支給申請書には、訓練実施機関が訓練の受講状況を証明する欄があります。ハローワークにて、受講状況を確認した上で、支給・不支給決定が行われます。

訓練を1回でも欠席(遅刻・欠課・早退を含む)すると「職業訓練受講給付金」は支給されません(欠席が「やむを得ない理由」による場合でも、支給を受けようとする支給単位期間ごとに8割以上の出席率がなければ、「職業訓練受講給付金」を受給することはできません)。

 

まとめ

独立行政法人労働政策研究・研修機構によると、2020年6月30日現在の完全失業率は、男性3.2%、女性2.5%、男女計2.9%と、増加傾向にあります。

このまま感染拡大に歯止めがかからない状況が続くと、さらに失業率が増加する可能性があります。

もし、現在または将来的に失業し、失業手当をもらう資格がない、手当がもらえる期間が終わってしまった方などが、ハローワークに登録して就職活動をする場合に「求職者支援制度」を利用することができますので、要チェックです。

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