人事 働き方改革

3分で解る!PDCAサイクルとOODA(ウーダ)ループの違いと使い分け|スッキリ解説!

ビジネスの現場において、業務を改善・効率化する方法として「PDCAサイクル」という言葉をよく耳にするかと思います。「PDCAを回して」とよく言われますが、そもそも「PDCA」って何のこと?という方もいらっしゃるかと思います。

また、近年注目されている「PDCA」とは別の方法「OODA(ウーダ)ループ」とは、どんな手法のことを言うのでしょうか。

今回は、ビジネスでよく使われる「PDCA」「OODA(ウーダ)」について分かりやすく解説していきます。

1.PDCAサイクル

ビジネスにおいてよく使われる「PDCA(ピー・ディー・シー・エー)サイクル」とは、「P:Plan(計画)」「D:Do(実行)」「C:Check(評価)」「A:Action(改善)」の英単語の頭文字をつなげたもので、このPDCAを繰り返すことによって、生産管理や品質管理などの管理業務を継続的に改善していく手法のことを言います。

 

成り立ち

PDCAサイクルは、米国の統計学者「ウィリアム・エドワーズ・デミング博士」によって提唱され、1950年代の日本のビジネス界に普及していきました。

デミング博士が参考にしたのは、ウォルター・シューハート博士の統計的品質管理だと言われています。当時の製造業における品質管理は、製造された製品の品質をすべて検査し、基準を満たさない製品を排除するという破壊的なプロセスが一般的でしたが、シューハート博士は品質のバラツキに影響を与える要因を管理できない「特殊要因」と、管理できる「一般要因」に分け、「一般要因」を好ましい状態に制御することで品質の統計的な分布を一定の許容範囲内に収めるという考え方を提唱しました。これによって、不良品の発生を防止しつつ、品質の維持が可能となり、今の日本の製造業が高い品質を武器に大きく成長していくことにつながったと言われています。

それでは、「PDCAサイクル」「OODA(ウーダ)ループ」の順に、その内容について解説していきます。

 

1.1 Plan:計画する

PDCAの「P(Plan:計画)」では、目標を設定し、実施計画を策定する段階のことを言います。

5W2Hを利用して、具体的な数値計画等を盛り込んだうえで、目標・実施計画を設定します。

5W2Hとは、次のものを指しています。

  • Who(誰が)
  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • What(何を)
  • Why(なぜ)
  • How(どのように)
  • How much(いくらで)

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1.2 Do:実行する

PDCAの「D(Do:実行)」では、Plan(計画)で設計した計画を実際の行動に移す段階のことを言います。

目標や計画達成のために実行すべきことを、時間や数値等を考慮しながら具体的にリスト化し、優先順位に沿って実行していきます。

実行段階において、目標や計画達成のために実行した行動が、有効であったか無効であったかを記録しておくと、次の「Check(評価)」の段階で検証することができます。

 

1.3 Check:評価する

PDCAの「C(Check:評価)」では、計画(Plan)に沿って実行(Do)できていたのかを評価する段階のことを言います。

目標は達成したのかどうか、実行(Do)が計画通りに行われたのかどうかを評価し、計画(Plan)時の予測と結果について、客観的に比較・分析を行い、計画が有効だったかどうかを評価します。

このときに、実行(Do)段階での記録が役に立ってきます。

 

1.4 Action:行動・改善する

PDCAの「A(Action:行動)」では、実施結果(Check:評価)を検討し、業務の改善を行う段階のことです。

評価(Check)を見ながら、良かった点と悪かった点を洗い出し、良かった点は継続し、悪かった点はどのように改善すべきかを考えます。当初の計画通り、この計画を続けていくか、修正するか、中止するかなどについても考慮し、次のPlan(計画)段階へとつなげていきます。

 

ポイント

PDCAは、「PDCAサイクル」と言うだけあって、Plan→Do→Chech→Actionを繰り返しながら精度を上げていくものですので、一巡して終わるものではなく、より良い解決策を探し続け、改善するサイクルを回し続けていくものです。

 

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2.OODAループ(ウーダーループ)

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、「OODA(ウーダ)ループ」とは、「O:Observe(観察)」「O:Orient(方向付け)」「D:Decide(意思決定)」「A:Action(実行)」の英単語の頭文字をつなげたもので、OODA(ウーダ)を繰り返すことによって、状況を見ながら未来を予測し、それに基いて今後の行動を決定して実行するという一連の行動をまとめていく手法のことを言います。

 

成り立ち

OODA(ウーダ)は、米国の軍事研究家である「ジョン・ボイド(John Boyd)」によって提唱された理論です。

ジョン・ボイドは、アメリカ空軍の戦闘機パイロットとして戦争に参戦。終戦後、アメリカ空軍戦闘機兵器学校(FWS)において教官を務め、学生機との模擬空戦において、「不利な位置から開始して、40秒以内に位置を逆転させる(後方の攻撃位置を占位する)」との賭けを行い、6年間で3000時間に及ぶ戦闘訓練で無敗を誇ったと言われています(「40秒のボイド」という渾名が進呈されたほど)。

その空軍時代に「エネルギー機動性理論(E-M理論)」と呼ばれる運動&位置エネルギーに基づいた新しい航空戦のセオリーを提唱しました。この理論はF-15、F-16、F/A-18などのアメリカの戦闘機を生み出した基本理論となっています。

撃墜王兼天才軍略家と呼ばれたボイドは、その後、自身が経験した朝鮮戦争の航空戦についての洞察を基盤にして、指揮官のあるべき意思決定プロセスを分かりやすく理論化しました。その中核となるのが、「OODAループ」として有名な「意思決定理論」と言われています。

 

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2.1 Observe:観察する

OODAの「O(Observe:観察)」では、相手を観察することから始まります。

相手や周囲の状況をよく観察して、相手が置かれている環境・市場の動向、状況や立場などといった事実を客観的に広く集め、データを蓄積し、できる限り手正確に把握します。

意思決定者自身が観察を行うことで、自分以外の外部状況に関する「生のデータ」を収集することができます。

 

2.2 Orient:情勢判断、方向付け

OODAの「O(Orient:情勢判断・方向付け)」では、「Observe(観察)」で入手したデータを統合・分析して情勢を判断し、戦略の方向性を定めます。

この「情勢判断、方向付け」が最も重要とされ、ここで定めた戦略の方向性によって、最終的な行動が大きく変わっていきます。

 

2.3 Decide:意思決定する

OODAの「D(Decide:意思決定)」では、「Orient(情勢判断、方向付け)」で定めた戦略や方向性を、最終段階の「Action(行動)」レベルにまで落とし込むための意思決定を行います。

目標を達成するために、考え得る複数の選択肢をリストアップし、最も目標達成に効果的だと思われる選択肢を選ぶ意思決定をする、ということになります。

 

2.4 Action:行動・改善する

OODAの「A(Action:行動)」では、「Decide(意思決定)」で決定した計画を実行します。

この「Action(行動)」のステップを完了すると、PDCAサイクルと同様に、OODAループとして、「Observe(観察)」段階に移行し、Observe(観察)→Orient(情勢判断・方向付け)→Decide(意思決定)→Action(行動)のループを何度も繰り返し、精度を高めていきます。

 

ポイント

OODAも「OODA(ウーダ)ループ」と言うだけあって、Observe(観察)→Orient(情勢判断・方向付け)→Decide(意思決定)→Action(行動)を繰り返しながら精度を上げていくものです。PDCA同様、一巡して終わるものではなく、より良い解決策を探し続け、改善するサイクルを回し続けていくものです。

 

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3.PDCAサイクルとOODAループの使い分け

「PDCAサイクル」と「OODAループ(ウーダループ)」、何だか似ているようですが、何が違うのかを解説していきます。

「PDCA」はもともと、製造業における生産管理・品質管理として広く普及していった手法です。

そのため、規律と秩序の中で行う工場の作業に適していると言われており、「決められた工程において、低いコストで品質の高い製品を良い多く効率的に生産できるか」を解決するのに適した手法です。

「PDCA」の要はPlan(計画)にあり、計画を立てても物事がその通りに進まない流動性の高い業界や業務には適していません。

その本質を理解しないまま、無理な計画だと知りつつ、表面上いたしかたなくPDCAを回すのは、業務を硬直化させるだけで有用とは言えません。これは臨機応変な対応が求められる企業の現場においては本末転倒ということで、近年注目され始めているのが「OODAループ」というわけです。

「OODA(ウーダ)」は、戦場で勝利するための意思決定の手法として普及していった手法です。

最初に決めた計画のとおり、サイクルを回していくことが難しく、流動的・臨機応変に対応しなければならない業界・業務に適していると言われており、「明確な工程のない物事に対して、計画に関わらず、相手とその状況に応じた柔軟な意思決定・対応ができるか」を解決するのに適した手法です。

但し、「OODA(ウーダ)」も、状況に応じて何をしても良いということではなく、「変更可能な部分(状況に応じて変えても良いこと)」「変更不可能な部分(絶対に守るべきこと)」をあらかじめ決めておく必要があります。

「PDCA」「OODA(ウーダ)」の使い分けとして、会社・事業全体の計画など、大局を見据えておくべきものについては、土台として「PDCA」をしっかり定めておくことが重要です。この「PDCA」を基本にして、現場の業務においては、相手や状況に応じて「OODA(ウーダ)」の手法を取り入れていく柔軟さをもっておくと良いでしょう。

特に「OODA(ウーダ)」は、ループを高速で回していくことが重要と言われています。OODAループを高速で繰り返すことによって、現場の判断力、臨機応変で柔軟な対応力を強化しながら、問題解決能力を高めていく仕組みになっています。

 

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4.まとめ

「PDCA」も「OODA(ウーダ)」も、どの業界・業務に、どのように適用させていくかがポイントになってきます。

単に手法だけを取り入れるのではなく、自社の状況と照らし合わせて、何を選択することが最善なのかを考えていく必要があります。

 

人事労務実務顧問

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